恋日和〜春〜






「音、って呼んでも?」
「…構いませんが…呼ばれ慣れないので反応が遅いかも…」
「まぁ、努力して」
「そうします…」
そうだ。昔は“音”って呼んでいた。
「音和もだぞ〜!“高瀬”ってこの学園に何人いるとおもってるんだ?

「そんなに沢山いるの?」
「ざっと10人はいるんじゃない?な?涼。」
ここで俺に話を振るか。
「あぁ。教員・生徒合わせると10人超える。」
とりあえず把握しているだけの人数を言う。
「音和…この学園、高瀬財閥系列だからね?」
花村さんが説明すると“今知りました”というような顔。