恋日和〜春〜






“入学式について”と書いてある紙に目を通す。

式典は12時半から。新入生・内部進級生は12時に第一講堂に集合して流れの説明を聞き、
校歌の練習をするらしい。

「みんな、出席番号順で廊下に並んで!」
冬結ちゃんが言うとみんなが動き出す。
いつの間にか時希くんと高瀬くんはいなくなっていた。どこへ行ったんだろう……。

教室のある棟から第一講堂まで遠くはなかった。第一講堂へ着くと“生徒会”と書いてある腕章をしている人が何人か居て、講堂へ入っていく生徒の誘導をしている。

第一講堂は小さめのつくりになっていて中等部と高等部を合わせたら全校生徒は入らなそう。
クラスでそれぞれ並び、数分で中等部と高等部の1学年全クラスが揃った。
すると、舞台の上に“生徒会”と腕章を付けた人が出てきた。
「皆さん、入学おめでとうございます!高等部3年、生徒会長の月島 優雅(つきしま ゆうが)です。」
そう言ってニコッと笑顔を添えた。その瞬間、講堂が騒つきあちこちから「かっこいい」と声が聞こえる。
隣に座る美朝ちゃんまで「かっこいい〜」と呟く。
「後でまた話すのでここではこの位にして……今から校歌の練習をします。まぁ、知っている人が多いと思いますが…。ってことで、合唱部の皆さん、お願いしまーす!」