「……音? 」 「なに?」 音は不思議そうに首をコテっとさせて言った。 「何でそんな後ろ歩いてるの? 」 「え……あ、なんでだろう……」 するとまた、目をそらし、ぎこちなく答え、地面を見つめる。 「音……さっきからどうした?」 そう訊くと鞄を持っていた手に力を込め、 「ごめん、やっぱり1人で行くっ」 俺の元から足早に去っていった。 ……俺、何かした….?