「……おーとーかーちゃんっ! 」
突然、背後から声をかけられた。
「ひゃっ!!」
振り返ると大希先輩が。
「先輩、どうしたんですか?」
男の人は苦手だけど、涼、時希くん、林田くん、大希先輩は大丈夫になった。
「いや、医学コーナーに居たから何見てるのかなーって思ってさ。音和ちゃん、医者になるの? 」
「……いえ….お医者さんは苦手なので……」
「はははっ!じゃあ何で? 」
盛大に笑われる。確かに、お医者さんが苦手なのに医学コーナーにいるなんて……
「……お薬に興味があって……薬剤師ってどうなんだろう、と思いまして……」
「ここら辺だと、ここの薬学部かな?音楽だったら羽山キャンパスになるけど……」
「そうですよね……」
「まぁ、あと2年半はあるし、ゆっくり考えな! 」
「はい!……そういう先輩は、どうするんですか? 」
「俺?……俺はここの経済学部の予定」
大希先輩が社長を引き継ぐって話を時希くんから聞いたことがある。