千代story

(あぁ早くしないと!)

私は大急ぎで電車に乗り、
真奈の通う保育所へと足を運ぶ。

(やっと…ハァ…ついた…)
真奈が私を見つけて
「おねいちゃあーーん!
きょは、おそかったね?よりみちでもしたの?」
5歳児にしてこの言葉。
母親じゃん。
「ごめんね。真奈。」
「おねいちゃんだから許してあげる!」
真奈が無邪気な笑顔で返事する。
「ありがとう。さ、帰ろうか」
「うん!」

私たちの住む家は
1DKの小さなマンション。
両親の保険金で生活するとなると
ちょっと小さいけど
2人なら広く感じる。

「ただいまぁ!」
真奈が大きな声で言う
それに続いて私も
「ただいま。」
そして私たちは
両親の仏壇へと足を運び
手を合わせ、今日あったことを伝える
いつもの日課。

それが終わると
「おねいちゃん、今日のご飯は何ー?」
「んーとね、冷蔵庫の中見てみるね」
(…白菜に豚肉そしてうどん)
今日は豚汁うどんね
「やったぁ!
まなそれたべたかったの。」
「そうなの。じゃ早く作るね」
「うん!やったぁ!」