「おい!奈々!お前いっつも遅刻すんなって言ってんだろ!」
出た!お説教ジジイ!
と、心の中で思っていると‥
「奈々。お前今俺のこと説教ジジィって言ったな?」
「なっなんでわかっ⁉︎」
言い終わる前に口を塞がれた。
「おめーが何言うのかぐらい俺にはお見通しだっつーの!」
今、私をいじめているこいつが私の好きな人。羽柴大翔(ハシバヒロト)
小さい頃からいつも一緒で、いつ好きになったのかなんて分からないくらいずっとそばにいた。
だからこそ、私と彼は両想いだと思ってた頃もあった。
そんなの絶対ないのにね‥
1年前‥大翔と私は高校生になり、新しい環境になっていた。中学当初からモテていた大翔だ。なんとなく予想はついていた。
予想は的中。大翔はそのルックスと面白くて優しい性格で瞬く間に人気になった。