それは5月頃の事。
今よくある教師の心の病。
あたし達学年はもといた社会科の女教師をソレにした。
反抗しまくって、ついには授業中に泣かせるまでした結果、
その教師は「何かの病気」といって辞めた。
で、代わりに来たのが田之倉ってわけ。
こいつの顔は中の上ってとこで、
教師とは思えないような問題発言しまくって、生徒の好感得てるって感じ。
からかうのが楽しくて、あたしもいろいろちょっかい出した。
なんか、尻つついてみたり、やたらノート提出したりね……。
言ってしまえば普通の教師と生徒以上に仲が良かった。
でも何故こいつから電話??
田之倉の第一声は衝撃的だった。
「お前さぁ、最近おかしくない??」
単刀直入。
そして図星。
言葉が出てこない。
「手首………やってる…??」
何故か、どんなに傷つけても平気だった傷が痛む。
(バレてたの…??)
あまりに的を射すぎてる言葉が、あたしの心をえぐる。
目には自然と涙が浮かんできた。
「何があったんだよ……。」
田之倉の優しい声―――。
(もう…隠しきれないよ――。)
