あと少しだけ。

その日は夢を見た。

付き合い始めたときの頃。


夏の太陽がジリジリと照りつけるなか、
彼は告白をしてきた。

「俺と付き合って。」


私は彼のことが好きだったし、
返事はもちろん、YESと返した。


だけど、彼から好き、と言われたことはない。

私が好き、と言えばフッと微笑み頭を撫でてくれた。

私がプリクラを撮りたいと言えば、嫌々ながらも付き合ってくれた。

そのとき、いきなりキスをされたプリはまだ残っている。


………

「ねー、お願い!金森ー!プリとろ!」

「……はっ?やだ。」

「お願い!一生のお願い!」

「…っち。仕方ねぇな。」

「わぁぁぁ!!やったぁぁぁ!」


『さん、にー、いち、カシャッ』

歯切れの良いシャッター音とともに私達はプリを撮っていく。

『仲良くくっついて、ちゅー!』

そんなことを音声が言った。

私は冗談で、
「ちゅープリする?」

って言ったら、金森は当然
「誰がするか。」

って言ったんだよね。

私はそりゃそーか。と思って顔の近くで
ピースをしてたの。
そしたらいきなり金森の顔が
近づいてきて、チュッとリップ音がなった。

その後にイタズラにニヤリと笑って
「やってやったり。」
と言ったの。

そのとき、私はすごくドキドキした。