ここから始まる

「もっと大きくなって父さんに前の母さ

んのことをきいた。父さんは再婚なんて

するつもりなくて、ずっと母さんだけを

思って死んでいくつもりだったらしい。

でも母さんの遺書に私が死んだら新しい

相手を見つけて私のことは忘れてって

書いてあったらしい。」

一言一句絶対に逃さないように。

私は必死に耳を傾けた。

「俺が大きくなった時に家庭の暖かさが

なかったら可哀想だって。

それで父さんは当時知り合った今の母親

と結婚した。お互い連れ子で俺の下には

血の繋がってない妹がいるんだ。

でもさ、だからと言って不幸とか全然な

いんだ。スッゲー幸せ。」