「どかない。この子はやってないって

いってるから。」

とてもかっこいいと思った。

まっすぐ前をむいてピンと伸びた背筋は

私のまえで光り輝いていた。

そんなこの子にびびったのか悔しそうに

顔を歪ませて先輩は走り去って行った。

すご、なんもしないのに追い払ってしま

った。ていうか、このこ1年だよね?

なんで私なんか助けてくれたの?

色々変な噂が回ってるだろうに。

「あ、ありがとう。助けてくれて。」

そういうとくるりとこっちに振り返る。

そこにはなんとも怖い顔があった。

えっ、助けてくれたんだよね?まさか

このまま第二ラウンドとか私やだよ。

「赤谷さん。あなたもっとしっかりし

たら??」

は、はぁ....。

「あんなのに絡まれたら殴るでも蹴る

でもなんでも、すればいいのよ!!」

ねっ!!なんていいながら回し蹴りを

する美人さん。さっきから言ってること

が物騒すぎる。でも不思議とこの子だけ

は嫌いじゃないと思えた。

「さっきから回し蹴りでパンツみえて

るよ。」

そういうと、顔を真っ赤にしてスカート

をおさえる美人さん。

「ちょっ!!赤谷さん!先にいって!」

あらかわいい。美人でかっこいいだけ

じゃないんだなー。

私はふふっと笑いながら立ち上がった。

「どうして私を助けたの?私の名前、

しってるってことは色々きいたんでしょ

。」

彼女はあーといいながら目を伏せた。

まつ毛長い。いいな←はっ!!

「私は噂とか信じないから。どこまで本

当とかわかんないしね。」

そう言ってね?っと笑う。

ほんとかっこいい。こんなに流されない

女の子がいるんだ。

やっぱりこの子嫌いじゃない。