「ご、ごめんなさい。知らなかった。」

そうするとまた驚いてる彼は静かに

名前を言った。

「俺は奏。一条奏。よろしく栞。」

そう.....。何度も私の頭に流れる新しく

知った名前。名前まで綺麗だね。

そこで私ははっと気づく。

「っていうか、何呼び捨てしてんの!」

名前を呼ばれるのは大いに結構。

けどなんで、下の名前を呼び捨てされる

んだ。初めて知ったに等しいんだぞ。

「なんで?別にいいでしょ。」

悪びれもなくよぼうとする一条君。

「別に苗字でよんだっていいでしょ。」

「やだ。」

お前はわがままか!!

なんでそんなに名前にこだわるのかよく

わからないけど。

「まあ、よろしく。一条君。」

そうすると、一条君は最初の冷たい目

じゃなくて優しい笑顔を私に向けた。