夕日に照らされた窓際。

鼻筋の通った綺麗な横顔。漆黒に染まる

サラサラの髪の毛。女の子のような長い

まつげ。薄いくちびる。

まるで一つの作品のように、その男は

規則正しい寝息をたてて眠っていた。

だ...れだ....??人の気配って、この人の

ことだったのか。なんか緊張して損した

不審者とかだったらどうしようかと思っ

た。目の前に眠る人は明らかにうちの

制服。ネクタイの色から私と同じ1年だ

ろう。それにしてもなぜ廃棄本の部屋

なんかにいるのだろうか。

私は時計を確認する。時間は18時過ぎ

を指していた。もうそんなに経ったのか

やはり本を読んでいるとじかんの経過が

早い気がする。私は視線をもう一度

戻すと、その男子生徒に向かって話し

かけた。

「もうすぐ、学校閉まりますけど。」

............。

反応がない。まあ当たり前か。

「めんどくさっ.....。」

私はもう一度声を大きくして呼びかけた

「あの!学校閉まりますけど!」

その瞬間ゆっくり開く彼の瞳。

「んっ....」

部屋に響く掠れた声。一瞬にして体温が

あがる気がする。な...にこ....れ...っ

今までこんなことなかったのに。