「よし、今日は自由にするか!」

そんな体育教師の言葉でみんなに喜びの

声があがる。

「やったね栞!」

「うん。」

どちらかというとあまり運動が得意では

ない私にとって競技が選べるのは中々

嬉しい。

ちらっと男子側を見るとダルそうにたっ

ている奏とさらにめんどくさそうに立つ

元君。

「二人ともやる気なさそうだね。」

話しかけられた春香が私に振り返る。

「そうね、一条君はともかく元はまさに

運動得意そうじゃないでしょ。」

そうかな?二人とも背大きいし、すごい

運動できそうだけど。

「ずっと女子の相手してたような人だよ

?できるわけないって。」

どうやら春香の中では元君は運動が

できないとなったらしく、興味なさそう

に先生の話をきいている。