「なに?」

自分でも冷めた声が出たと思う。

目の前の彼女は気まずそうにまた下を向

いてしまった。

そんな顔をさせたいわけじゃないのに。

「あ、あのっ!!お弁当いっしょに...」

そのまましゅんと項垂れる栞。

さっきからどうしたんだ?

「お弁当?別にいいけど。」

なんかよくわからないが栞からの誘いな

ら断る理由もない。

「ほ、ほんと!!?」

目をキラキラさせてまるで小さい子供の

ようにはしゃぎ加賀のところに戻ってい

く。

「変な奴。」

俺は小さくつぶやいた。