「奏、何見てんだよ?」

本格的な寒さになった新学期の朝、

親友の新台元が俺の目の前に立つ。

「別に。」

そういうけど、目線の先には加賀と楽し

そうに話す栞の姿。

ほんとよく笑うようになったな。

でもそのおかげで栞を好きだというやつ

が増えた。

「ったく。」

自覚っていうのがねーから困るんだよな

あいつは。

「あー栞ちゃんか。」