ここから始まる

「で、でも私みたの!!栞ちゃんが

教科書切り刻んでるところ!!」

声を荒げて反論する薫ちゃん。

そっと顔を上げて見ると一条君は軽蔑

するような目で薫ちゃんを見ていた。

「当人の話じゃ何の参考にもなんねー

だろ。そもそもいつそんなことできん

だよ。」

そんな一条君に、言い返す人なんて一人

もいない。

「まあまあ、奏。落ち着きなよ。」

そういって教室に入ってきたのは元君

だった。

その場に合わない笑顔をうかべている。