ここから始まる

確かにそうだろう。

栞のことは何も知らないし、栞も俺のこ

と何も知らない。

「だからだよ。」

そんな俺の言葉に俯いていた薫が顔を

上げる。

「俺のこと、もっと知ってほしいって

思ったのあの子が初めてなんだ。」

少しの間流れる沈黙。

「帰る。」

薫はそれだけ言って俺の家をでていった



これで諦めてくれたなんて、俺の考えが

甘かったんだ。