栞side

キスを受け入れてしまった。

私の中の一条君の感触が消えていく気が

した。

せっかくの思い出の場所なのに。

私が汚してしまった。

「ふぅっうあっ....」

次から次へと流れる涙。

「いち...じょ...くん....」

途切れ途切れに呼ぶのはやっぱり彼の

名前で、とてつもなく大きな存在なんだ

と改めて思う。