ここから始まる

俺のこと未だに一条君だていうくせに

元のことは名前で呼ぶし。

なんてつまらないヤキモチを妬いて。

考えることは栞のことばかり。

「奏!きいてる!?」

どうやら隣で話していた薫の声も耳に

入ってこなかったらしい。

「なに?」