ここから始まる

奏side

栞がまたやらかしたらしい。

どうやら二回目の居眠りみたいだ。

俺は大人しく謝る栞をみながら少しだけ

笑っていた。

そんなとき横から声がする。

「何笑ってるの?」

それは薫だった。

「別に。」

俺のそんな言葉に薫の表情が曇る。

「昔は私に隠し事なんてしなかった。」

俺が笑っている理由をいわないのが不満

なのかますます顔を歪める。