あれから数日。同じクラスにいるという

のに、一条君とは一回も話してない。

相変わらず一条君は愛想も振りまかず

寝てるか新台君と話しているかのどっち

かだ。そして新台君は変わらず春香に

かまっている。

「だからなんで私のとこくるのよ!

あんたのこと好きな女の子なんていっぱ

いいるでしょ!!」

「春香は僕の事好きになってくれないの

?」

「何が起きても絶対ない!!っていうか

名前呼ぶな!」

さっきからずっとこんな感じである。

いいな。

いいな!?何考えてるの自分!

別にただ羨ましいだけで一条君と話した

いわけでは....だからなんで一条君なの。

私は考えるのをやめて机に伏せた。

「栞?大丈夫?熱はないよね...。」

私を心配しておでこに触れる春香。

冷たくて気持ちがいい。

「大丈夫。ありがと春香。」

私はそういって目を閉じた。








「栞」