春香はびっくりしたように目を見開いて

いる。そりゃそうだ。私がこんなことを

言うなんて思ってもいなかったんだろう

事実私もなぜそんなこと言ったのかわか

らない。

だけどどうしても気になる。こんなの初

めてだ。春香は少し考えて言った。

「一条君はね、無愛想!!!!」
「えっ」

「無愛想なんてものじゃないわ、それは

もうあの変態野郎以外とは誰とも話さな

いって有名なのよ!けど、心を開いた

相手にはすっごいかわいい笑顔を見せる

んだって。」

変態野郎って新台君のことかな?

そんなに嫌いなのか。そんなことをかん

がえていると春香がニンマリとした。

「きっとすっごく優しい人だと思うよ。

頑張って!」

「違うから。」

「即答!!でも栞が男の子の話するなん

て初めてだしてっきり好きなのかと」

ちがう、そんなんじゃないよ。

絶対違うし。

もやもやとした気持ちが胸に広がって

いく。

そんな私の気持ちを1時間目の始まりを

告げるチャイムが遮った。