「雲屋領域規定…

"船への無断入船を禁じる。
しかし、船長の意思があれば
それは認められる。"

"一度雲屋となった者は
外界に帰ることは許されない。"

"雲屋の島以外での外船活動を禁じる。"

"一度でも船内に足を踏みこんだ者は、


雲屋となる。"…

さいっこうだ…」


空から降ってきた物は
手紙に書かれていた、
≪雲屋領域規定≫
だった。

それはとても短い文章で、
その後は良くわからない言葉が
延々と綴られている。
読めるのはただ四つ。
それでも、この四つに僕は胸を躍らされた。

そしてもう一度、部屋の中で吼えた。
もちろん、下からじいさんの怒鳴り声が聞こえたのは言うまでも無い。



胸躍らされた僕は何も気づいていない。
外界とのつながりを延々に経つという意味を。

もう、誰にも会えなくなるという意味を。


僕は、まだ気づいていなかった。