此処で雲屋について、
少し説明しておこう。

彼らは一つの島に生きる者達。同種族である。
海に浮かぶその島で、
海や大地や太陽、
自然の産物を讃えながら雲屋を営む。

其処は絶対的領域とも呼ばれ、
雲屋である者以外は立ち入りを許されない。
外界の者がこの島に入るたった一つの方法。


それは、
雲屋になる事である。


謎と神秘と、
それと何処と無く
溢れ出てくる憧れを押さえきれず、
彼らに惚れた少年が居た。
名を、アートと言う。

この物語は少年アートによって紡むがれる。