救急車が着いた。



空ちゃんは担架に乗っている。



俺は慌てて駆け寄った。



今の状態では呼吸は落ち着いている。



「この状態ならひとまず安心かな。」



部屋まで運んで寝かせてあげて



と言おうとした。



でも、できなかった。



時雨が付き添いで乗っていた。



多分……じゃないや。



絶対に時雨は何も知らない。



だから空ちゃんがここで生活してることは言えない。



「取りあえず空いてる個室にお願いします」



それだけを救急隊員の方々に伝えて時雨に話しかけた。



「なんでここに時雨がいるんだ?」



「雪斗!?」