………回想に浸ってた。
時雨が目の前にいることも忘れて。
危うく時雨の質問も聞き逃すところだった。
時雨は空ちゃんを放置していることに焦った。
今更だろ、って思ったのは秘密だ。
そして、時雨は考えてることが全部顔に出ていた。
あ、あと時雨はきっと空ちゃんのことが好きだ。
空ちゃんの考えを変えてくれるといいな。
まだ手術すれば間に合うはずだから。
手術をしなければもうほんとに長くない。
俺がつぶやいた一言は時雨には届かなかった。
救急車がきて空ちゃんは運ばれた。
時雨の幼なじみ二人は俺が連れて行くから
って時雨を説得して空ちゃんと救急車に乗ってもらった。
「今日は曇り……か」