「………」
「ねぇ空ちゃん」
「……なんでしょう?」
聞かれることなんてわかってる。
「なんで走ってたの?
なにがあったの?」
「………」
「普段の空ちゃんなら、走ったらどうなるか分かってるから絶対に走らないでしょ?」
「……うん」
「ましてや、雨の日以外に外で泣くなんてありえない」
「…………」
「空ちゃん……」
「………」
「話してほしい。
話すだけで楽になることもあるだろうし、なにかアドバイスできるかもしれない。
………話してくれなきゃわからないんだ」
わかってる。
わかってるけど。
雪斗先生ならきっと私のほしい言葉をくれるけど。
今の私の精神状態じゃ無理だよ。
そう思いつつお茶を飲む。
「………うん」
