全員の身体を揺すりました。
起きて、起きて!
冗談でしょ?
ドッキリか何かでしょ?
ねぇ!眼を開けてよ!
ひたすら呼びかけました。
父だけが、かすかに、反応しました。
やっぱり衝撃がほんの少しだけ軽かったんだ。
そんな父が残した言葉はひとつだけ。
たったのひとつだけ。
『生……きてな………』
笑顔で、それだけ、私に言いました。
「嫌だ……ぃやっ………いやあぁぁぁぁっ!
ねぇ、起きて、嘘って言って!…眼を……開けてよぉ……」
それからの記憶は曖昧で。
誰が警察と救急車を呼んだかも、私はいつ救急車に乗ったのかもよく覚えていない。
覚えているのは、みんなが倒れてる現実から目を逸らしたことだけでした。
