それ以来、両親が私に対して過保護になり、そんな私を姉は嫌いました。
嫌われただけで何もされなかった。
ただただ心が痛かった。
そんなある日。
病気発覚の一年後くらいたったそんな日のことです。
家族でドライブに朝から出かけました。
父が運転手、母が助手席、姉と私が後部座席に座っていました。
ドライブはとても楽しかった。
帰り道のことです。
私達の乗った車は、左隣の車線を走っていた飲酒運転の車に、勢い良く、突進されました。
私を毛嫌いしていたはずの姉は私を庇うように覆いかぶさりました。
母は車が直撃していました。
父は、ほんの少しだけ衝撃が軽かったよう。
全部がスローモーションでした。
全部、全部、見えていました。
でも、私は目をそらしました。
変わってしまった家族を見ていられなかったのです。
でも、でも、認めたくなくって。
そんな現実はないって。
みんな生きているって。
……信じ、たくて。
