「じゃあ、俺の過去。話します」
「ゆっくりでいいよ」
今日は時間あるから。
「俺には、妹がいました。妹は3つ下でした。ブラコンの妹で、かわいかった。
……小学校と中学校は隣同士にあって、いつも一緒に登校してました。そんなある日。」
一度言葉を切った。
私たちは黙って聞くだけ。
「俺が中2で、妹が小5の頃。俺のことを妹の彼氏だと学校の女子は思ったんだろうね。
……いじめが始まった。でも俺は学校が違うから守ってやれなかった。
毎日ぼろぼろになって帰ってくる妹、どんどん引きこもって変わってく妹を…ただ、見てることしかできなかった。」
「いじめが始まって一年後くらいたったある日。
………妹は、自殺した。俺のせいでいじめられ、俺のせいで自殺するくらいまで追い詰められた。妹は、俺が、殺したも同然なんだ……」
氷哉くんの気持ちが少しわかること。
「……氷哉くんも変わっていくのを見てることしかできなかったんだ。いや、もじゃないね…
……私は、変わっていくことすら見ていられなかったから」
誰も何も言わない。
「何も言わなくていい。聞いてくれてありがとう。深くは言わなかったけど……やっぱり辛いや」
氷哉くんはそれ以上何も言わなかった。
ふーっ。
息をついて、覚悟を決める。
「みんな覚悟決めて言ってくれたんだ。私も腹をくくろう」
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