「とまあ、その後身代金を受け取ったやつらに俺らは解放されて、やつらはすぐ捕まったよ。俺の秘密はこれくらいかな。」
周りを見た。
各々思っていることが顔に出ていた。
晴は…もう泣いてたし。
氷哉は驚きを隠せてないし。
雪斗と風斗は顔を見合わせてた。
空は目を瞑っていた。
次は誰が話す?
って聞こうとしてたのに、聞ける雰囲気じゃなかった。
そんな時、晴が涙を拭って
「次、あたしの話、したいけど……」
「今の晴の状態じゃ話せなさそうだから、俺が簡潔に言うよ」
氷哉が言った。
「晴の抱えてたことは、時雨の話の中にあったいじめのこと。そのいじめのせいで俺ら以外の人とは話せなくなったんだ。……空ちゃんに会ったことで大分回復したけどね。……で、俺は………」
氷哉はそこで言葉を切った。
氷哉もなかなか言いにくいことだから…
「氷哉くん、日、暮れちゃう。私も今日は話せなさそうだし、もうお開きにしない?」
空の言葉で今日はお開きになった。
昨日の雨が嘘のように晴れた日曜日だった。