……土砂降りの日に患者さんたちは窓を開けない。



窓を開けれないから下なんか見えない。



下を見ても、雨が強すぎて見えないだろう。



「なんか久しぶりに来た」



そうつぶやいて裏口の戸を開けて外に出る。



服が一瞬にして肌にくっついた。



「……っふ…………うぅ………」



髪の毛もびっちゃびちゃ。



それでも。



涙は止まらない。



「……ぅあっ……ぁ……」



「ひっ…く…………」



「ぅっ…わああっああぁ……ぁぁぁああん!」



「……っく…………なっ……っんで!」



「なぁっ……っで!私のっ!っく……ことっ!…うぅ…ほっ……といてっ!くれっ、ないのよ!」



「やっ……さしくなんかっ!しなっ……っでよっ!」



「ばかぁぁぁぁぁあああああぁぁ!」



雨が涙を流してく。



泣き声はかき消してくれる。