夕暮れさよならアンサー

「めっちゃ可愛くネ?」

と隣の席の仁文が、そっと俺に
耳打ちする。
俺は、やや放心状態で、コクリ、と
頷いた。

「両親の転勤で、転々としていたの
ですが、故郷に帰ってこれて、
とても嬉しいです」

と安田は、形の良い、その小さな口で
ふふっ…と笑う。