➖???➖

ー…ここはどこ?……

目覚めたら薄暗く静寂に支配された部屋のベットの上で一人横になっていた。
声を出そうとしてもうまくいかず,唸り声しか出てこない。

ーどうして!?泉にいたはずなのに……

何度考えても思いつかない。
それどころか記憶にないのだ。
周りを見渡してみても薄暗く,何があるのかは曖昧だった。
ただ,広い部屋には小さな窓しかないこと今は安全なんだということだけわかった。

ーまずはここから出なくちゃっ!
嫌な予感がする……

扉を探すため広い部屋の中を歩きまわった。

ー扉はどこ?

何時間歩いたのだろう……。
どこにも扉らしきものは見つからず途方に暮れ,ベットに戻ろうとした瞬間どこからか大きな足音がした。

ーなに!?

突然のことだったため身動きが取れず,その間にも足音が徐々に大きくなってきた。

ーーコンコンーー

『おはよん。マイハニー』

部屋全体に響いてくる気持ち悪いかつ聞き覚えのあるその声に身体が反応し,近くにあったクローゼットの中に身を隠した。

ー何が来るの?こんな足音が大きいってことは………巨人かな……。
それに,マイハニーって…私じゃないよ  ね? 
 
自分自身に言い聞かせ,微かな隙間から部屋全体を覗いた。

「あっれ〜〜?かくれんぼかな〜?
 ふふふっ,僕の大得意だよ!」

その大きな影は徐々に少女が隠れているクローゼットへ近づいてくる。

ーどうしよう……見つかっちゃうっ……
あれ?あのシルエットどっかで見たことがあるような……しかもこの声……

考えに夢中になり過ぎて,その大きな影が目の前まで迫っていることなど知るよしもなく突然扉が開け離れた。

「見ーつけた!僕のマイハニー」

ーえっ………

そこで少女の意識が途切れた。