ーピピピピ…ピピピピ…

いつも通りの私の部屋にある目覚まし時計のアラーム音。
そして…

「麗〜、いつまで寝てるの⁈」

はい、来ましたぁ〜。毎朝恒例のリビングからのお母さんの怒鳴り声…。うん、わかってるって…そろそろ起きなきゃ遅刻するってことは…

「麗〜‼︎」

…はぁ、仕方ない…そろそろ返事しなきゃ…

「はぁ〜い!なんか用⁉︎」

そう私が返事をするとお母さんが凄い勢いで私の部屋に入って来た。

「なんか用?じゃないわよ!麗、あなた、今日が何の日か知らないの⁉︎」

「…え?今日ってなんか…あ…あぁぁぁ‼︎お、お母さん、今日ってまさか…‼︎」

「そのまさかよ」

「うわぁぁ…私としたことが‼︎今日という日を忘れるなんて‼︎ありえないよ…‼︎」

実は今日、これから私が毎日通うことになる高校の入学式があるのだ。


「ヤバイ!私、かなりヤバイ!まだ何も用意してないんだよ‼︎」

「そんなの、昨日のうちに用意しなかった麗が悪いんでしょ」

「あぁ…お母さん、酷くない?しかも、今遅刻しそうな私に言う台詞じゃないよね⁉︎確かに私が悪かったけどさ…」

とりあえず私はブツブツ文句を言いながら何とか着替えを済ませた。
そして私はとりあえずカバンを持ち、家を飛び出したのだった。