医者のような男は言った。
「報われない人だ。せめて私たちで供養してあげよう。」

入れ墨の男は顔をしかめて言った。

「は?今更いい人ぶるんじゃねぇよ。」

ドンと突き飛ばし医者のような男も串刺しになった。


入れ墨の男と彼女は、顔を合わせて笑った。

「人殺しの犯人は罪の意識にかられ被害者のもとへ向かった。一件落着じゃないか。」

「そうね。帰りましょ。」

男女は扉をバタンと閉めてどこかへ消えた。

死んだ男からは水なのか涙なのかわからないが、泣いているようだった。