そして…更に奈々さんは話を続ける。
「それにね…蓮くんの彼女さんは、
【蓮というモデル】
の1番のファンだったんでしょ?
私が彼女だったら…自分のせいで、仕事が出来なくなってる蓮くんの姿を見て、悲しくなると思うの。
蓮くんの仕事を心から応援してくれた彼女の為にも…
プロ根性見せて頑張ろう?
辛いときはカメラが回っていない所で泣いていいから…。
1人で泣くのが辛いときは、私の胸ぐらい貸してあげるから…。
だから……」
そこまで奈々さんが言うと、言葉が止まった。
きっとそれは…俺の瞳から涙が零れ落ちたから…。
「こら!目が腫れるから泣かないの!」
そう…奈々さんが優しい声で言うと、俺の目尻にソッとキスを落とした。
そして…
「この前のお返し!」
といって微笑んだんだ。

