「でも俺、梨花のことを恋人だなんて紹介したことないだろ?」
蓮が微笑みながら言う。
「大切な人って言ってましたね。」
横山が頷きながら言う。
「俺と梨花は恋人という枠には収まらなかったけど…お互いに大切な大事な人だった。
でも、梨花には俺以上に想っている奴が居て…」
そこまで言うと…蓮の言葉が途切れる…。そして手に持っていた焼酎に口を付けた。
梨花ちゃんは、蓮の気持ちを分かっていて、傍に居て貰って…それで自分は結婚するの…?
今まで支えて貰った蓮を置いて…。
「蓮は…それで…いいの?」
「俺…頑張った、頑張ったんだ…でも…10年かけても引きだせなかった、俺が大好きだった梨花の心からの笑顔を…
アイツは10年ぶりの再会で一瞬にして引き出したんだ。
アイツには敵わないって思った。そして…梨花を幸せにするのは、俺の役目じゃないって分かった。」
私は…蓮の真剣で切なげな表情から目を逸らせないでいた。

