慌てる私を見て、蓮がフッと微笑んた。



「奈々さん…俺と梨花は付き合ったことすらないよ。

確かに俺は梨花のことを好きだったし、付き合ってって何度も言った。

でも…その度に、断られていたんだ。ずっと俺の片想いだったんだ。」



蓮が穏やかな表情で語る…その顔を見ていると、こっちが切なくなる。



「え~っと…あっ、でも…梨花ちゃん…蓮のマンションに居たよね?一緒に住んでいたんじゃないの?」



「うん…。
住む…というよりは、傍に居る…って言葉の方が合っているかも…。」



私…蓮と梨花ちゃんは、本当に想い合っているんだと思ってた。



「梨花ちゃんが帰国する度に休みを取って…一緒に過ごしてたよね?

私から見たら恋人同士としか言いようがない雰囲気だったよ?」



2人一緒に居る姿を見て、2人の間には入りこめない絆があるって思ったの…だから…私…蓮のこと……。