「……っっっく……っっく……。」 俺がどんなに呼びかけても、バスルームから出てこなかったのに…。 「……大丈夫。 俺が傍に居るから…。 安心して良いんだよ。」 何度も何度も…梨花に優しくそう囁く鴻上くん。 鴻上くんが来た途端…本当に安心したように泣き続ける梨花。 やっぱり… 鴻上くんに連絡して良かった。 そう思いながらも… 俺の心の奥底でチクッと小さく何かが刺さったような感覚には 気づかないフリをした。