「キレイな人だったねー!」






「年上…かな?」





美咲と琴音も同じことを思ってたらしい。






私がぶつかったのにイヤな顔1つしないで
微笑んでた。






スゴイなぁ…












私がそう思っていた時…



後ろの方で聞こえた。










「お待たせ、遼」





「ああ」





さっきの女性の声だった。







もう1つは男の声…







それも聞き覚えのある…









「蒼(あおい)、さっき行きたいって言ってた店3階らしいぞ」







いつも聞いてるアイツの…







「調べてくれたの?
ありがとう!

じゃあ行こっか」







見ちゃダメ




振り返っちゃダメ






直感でそう思った。




それなのに体は言う事を聞かないで動く。












ああ…




そっか…


そうだよね…







あの声は最近私が無視し続けていた声…


鈴本って…呼ばれるだけ嬉しくなる声…


聞くだけで胸が苦しくなる声…




松岡の声だ。







そう直感するとともに…



美人な蒼さんという人と仲良さげに恋人繋ぎをする松岡の姿が目に映った。






ガツーン...



頭に衝撃が走った。









後ろ姿でも私が見間違えるはずない。


いつも見てきたから...