「……ふぅ。」
あれから約一週間。
一週間の間にあまりにも可哀想だったために、魚屋さんと話すようになったり、今では結構仲良くなったんだけど、それはさておき、
制服を着てバッグを持った私は、自分が通う新しい高校を見つめていた。
前も少し覗きに来たけど、改めて見ると、

「やっぱ大きいなぁ…。」
さすが北海道有数の進学校さまですわ。進学校なだけにクラスもABCDと成績が良い順に、振り分けられているらしくって。
まぁ私は、今までの成績はまぁまぁ良い方だったから、自然とAクラスに振り分けられた。

「あっ君が樹琴ちゃん?」
「アッはっ、はい!」
突っ立っていたら、またもやいきなり声をかけられ、変な声を出してしまった。

「はは、そんなに緊張しなくていいよ。俺は君の担任の西原だ。適当に呼んでくれ。」
「はっ、はい!」
この街に来てから、私色んな人に変な反応をとってる気がする。家族を除いて、どうしよう。
っていうか西原先生イケメンだな。
20数歳か?お母様にモテそうな容姿をしていらっしゃるじゃないですかやだー。要するににイケメンってことだな!死ね!!

「まだ始まりまで時間あるから、ちょっと待っててね!」
「あっはい!」
教室のドアの前で私は待たされるらしい。
ふぅん、まだ雪が残っているこの北海道の肌寒い廊下で待たせるんだー!へー!!
あのモテ男くん2人組ならすぐ部屋に入れてくれそうなのに、とぼんやりと思った。
ていうか寒いよ入れろ。