「さて!!!んじゃ自己紹介も終わったし、そろそろどっか遊び行こうぜ!」
希輔くんが開いた右手の手のひらに、左手のこぶしをパシンと合わせながら言った。
あれ、でもこの辺に遊びに行けるところなんてあったっけ?

「車で2時間圏内にしようぜ、初日だし。」
幸透くんがさらっと言った。おい、最終日にはどこに行くつもりだ。金持ち感覚め…。

「ゲーセン行きたい…。」
啓太くんがぼそっと呟いた。それに対抗するように海音くんも言った。

「俺はみんなで遊園地行きたい!」
おお、どっちでもいいな。と私は密かにわくわくしていた。
すると、聞いていた療介くんが首をかしげて言った。その些細な仕草で女の子はバキュンなんですよ……。わざとか?

「意見はそんくらい?」
聞くと、みんなは2時間圏内だしそんくらいかー。と言って頷いた。だから最終日にはどこまで行くつもりなんだ。

「じゃ両方行くか。」
その発言に、希輔くんが「療介太っ腹ぁー!!」と言って立ち上がった。
私は動揺して、療介くんに慌てて声をかけた。

「えっえっ、急に決めちゃってお金とか…この人数で大変なんじゃ…色々と?」
療介くんはあぁ。と頷き、何だか高そうなカードを取り出した。

「大丈夫。俺ん家の会社のだし、それにゲーセン入ってる遊園地ぐらいなら持ってる。」
あっけらかんと言ってのける療介くん。だめだ。格が違いすぎて話にならなかった。貧乏性め…。