ごっ。

にぶい音と共に、海音くんの腕がテーブルに叩きつけられた。

「いぃったあああああああ!!!!」
「あっははははは海音よっえぇ!!」
結構にぶい音がした程度に、かなりぶつけたらしく腕を押さえて叫ぶ海音くんに、思いっきり煽りにいく理巧くん。かわいそう。あれは完全に喧嘩売ってますだな。まぁ自分でやったんですけどね!!あは!!

「え、正直海音が負けると思ってなかった。」
永尾くんが不思議そうに首をかしげた。あ、あざとい…。
まぁ、ごめんね。何でか分からないけど、これでも健康優良児として表彰された過去があるんだ。

「まぁ、実際女子のほうが骨格が成長しているのはよくあることだよね。」
「だよな。そのうち俺と真琴は身長一旦抜かれるだろうな。見たとこ骨格かなりいいから。」
真琴くんと青葉くんは隣に座っている同士で、明らかに頭のいい会話を繰り広げていた。こいつら何なの?医者志望なの?イケメンのくせにそこまで出来るの?あれっ何か自分で言ってることがよく分かんなくなってきた。

「えーでも俺、サッカーで腕立てとかしてるし大丈夫かなって思ったんだけど……」
手を押さえて涙目になっている海音くんをフォローするように、真琴くんが笑いながら言った。

「腕立てって力使うけど、あれ実際体の使い方が上手くなれば腕はほとんど使わないんだよ!だからきっと海音は体の使い方が上手いんじゃない?」
「真琴……!!」

「まぁそんなことも知らないあたり、やっぱり海音だよねwwww」
「真琴……。」
真琴くん上げて落とすスタイルか。天然ドSな気がするな。あの子。

「まぁとにかく、樹琴がすげぇってことは分かったな!」
理巧くんはそう言ってにっと笑った。
あなたのイケメンぶりには勝てないっすよ、とは言えなかった。