「それにしても……君がかぁー!」
理巧くんはどうやら驚いたらしく、私を見つめていた。
イケメンに見つめられて真っ赤になるような、純情な女の子じゃないんですよさーせん。ビビりはするけどな!!

「え、この子があの逸話の子!?マジで!?」
と幸透くんが叫んだと同時に、私は穴があったら入りたい無くとも掘って埋まりたい状態になった。
何だよ!!!あの話は広まってんのかよ!!!

「そうは見えないよね、普通に可愛いもん。」
海音くんがさらっと言った。…………ウウン?ちょっと何言ってるか分からないですね!!
…あっ。海音くん、誰かに似てると思ったら中2のときの先生そっくりだ!若くて新任で初初しい割りに、天然で誉めちぎるタイプのイケメン!
私のお母様もその先生にキャーキャー言ってて、お父さんに「ざっまぁみろ旧型イケメンww」って笑ってたわ。

「本当にこの子が雪玉背中に突っ込んだの?」
「え?何のこと?」
「とぼけんなアホ。」
青葉くんにクッションで頭を叩かれた。吹雪くんや鈴鹿くんには直でぶん殴るのに、こういうところイケメンか。

「ちょっと海音、腕相撲してみなよ。」
「え。」
突拍子の無い真琴くんの発言に、海音くんはノリノリで腕を差しだした。理巧くんと幸透くんはおぉーーーつ!!と盛り上がってた。
この4人の人達って若干ずれてる…?

まぁいいや。と私はひじをテーブルに付け、海音くんの手を握った。

「…樹琴、腕相撲強そう。」
鈴鹿くん。呟いたの聞こえてるよ。

「じゃーいい?」
吹雪くんもノリノリで言った。
このイケメン共、ずれてないk………………あぁ!!そうか!!そういうことか!!!!こいつらアイドルのノリなんだ!!無茶ぶりに答えることとか!!天然アイドルか!!死ね!!


『れでぃーふぁいっ!!!』
私は一気に力を入れた。