「とりあえず俺の部屋で待とう。あいつら俺の部屋の場所分かるし。」
家に入るなり、青葉くんはそう言って、階段を上っていく。永尾くんは普通にそれに着いていってるけど、私は内心ビビりまくりだった。
何ですかこの学校の三倍くらいの階段の幅は。しかも手すりの装飾おかしくない?細かすぎない?触っていいんですかこれ?
しかも、階段にまで高そうな布敷いてあるんですけど、何なんですかこれ。踏んでいいの?とか思いつつ、そろそろと着いていった。

部屋に着く。もう部屋のドアが明らかにデカいこととか、高そうな呼び鈴が付いてることとかは突っ込まないことにします。部屋も当然くっそ広いけど以下略。

「じゃあ、待ってる間何かするか?」
青葉くんは、置いてあるこれまた高そうなクッションをこっちに放り投げつつ言った。

「別に必要ないんじゃないかな。」
窓の外を見ていた永尾くんが無表情で言った。
私も外を見て、思わず笑ってしまった。すごい勢いで走ってくる三人に、小走りに着いてくる三人。性格が表に出ている感じだ。

「……嫌な予感しかしないわ。」
青葉くんが震え声で呟いた。
ドアが開く音のすぐ後に、ドドドドドドと階段をかけ上がってくる音が聞こえた。

「りょうっすけちゃぁーん!!やっふー!!!!」
「来てやったぜ療介ぇー!!」
バンッとドアが開き、叫ぶ鈴鹿くんと吹雪くん。

「帰れ。」
青葉くんはドアを押し返して笑顔で言った。

「はぁー!?客人に対してそれはないだろ!!」
「ドアを豪快に開けて、階段をかけ上がり、家主にタメ口聞く奴は客人って言わねぇんだよ!!!」
鈴鹿くんと青葉くんのドアの押し合い。どうやら日常茶飯事らしく、みんな笑っている。

「久しぶりの理巧(リク)はまぁいいとして、お前ら毎っっ回階段走んなって言ってるだろ!!」
「えーいいじゃんそんぐらい。」
吹雪くんは青葉くんがひっぱたいた。
理巧と呼ばれたイケメンはげらげら笑っていて、ちゃんと歩いてきたらしい三人組は今到着した。
この人達が向こうのグループかぁ。