「じゃあ行ってくるわね!」
「樹琴ちゃぁん、寂しくないか??大丈夫か??」
「母さんいってらっしゃい!!!」
「俺は!!!?」
そしてゴールデンウィークの前日の夜中、二人はラブラブで出かけていった。
二人が出ていったので、とりあえず父さんと母さんの部屋の鍵をピッキングで開ける。

「よし。」
無駄にある機械関係の知識をフル活用して作った、身長180センチ越えの人が通ると足首のあたりに棒が突き出されて転ぶシステム。
二人が出かける毎に新しいものを導入し、その度に父さんは回避能力を身に付けている。
ちなみに現在設置されているのは、入った瞬間女性の手と限りなく近いものが、頬をビンタしてくるシステム。電気は4回連続でつけないとつかないシステム。入って一歩進むと、お腹のあたりにバットがふりかぶられるシステム、そして今回のもの。
全て180センチ以上の人のみに対応。

今、現在父さんは、ドアを開けてすぐ体を反らし、電気を4回つけ、そして最後に避けている。そして安心した瞬間、今回のシステムで転ぶという仕組み。うふふ完璧!!!

設置しながら思ったけど、すぐに慣れて避けられるようになる父さんは、結構すごい。多分こういうのが上手くなったのも、父さん(への殺意)のおかげだと思う。何だかんだで取り壊さないのが優しい。

「だがしかし、転ばせる。」
次の休みは夏休み中とか年末年始だから、次のものを考えねば。

「……よっしゃ。」
設置が終わり、私は満足気に笑った。帰ってきた父さんの顔が楽しみだ。

ピロリン♪
そんなことを考えてると、父さんからメールがきた。

『夜景見れるかなぁって思ってたら、雲の上出ちゃった(・ω・`)でもお母さんの顔は夜景より綺麗だからいいや☆」
とりあえず死ねと返信して、着信拒否設定にした。

こいつらテロで飛行機が海に突っ込むことになっても、最後の最期まで愛を語り合ってそうだから、とりあえずテロ起きないかなぁ。
まぁいいや。明日からは私も楽しんでやんよ。おやすみ。
私は布団にもぐり、3秒で寝た。