そのあと、二人は『用事があるの忘れてたわ!ポッキー置いていくから好きに食べてていいよ!! 』
と言い残し、慌てて帰ってしまった。
二人にしては、珍しいなぁ。と不思議に思って、大量のポッキーの消費方法について考えていると、


「ピーンポーン」
とチャイムの鳴った音がした。チャイムを鳴らすのは、あの紳士二人組のどちらかしかいないな。と思いつつドアを開けると、予想通り青葉くんが立っていた。

「おじゃましまーす。」
「どうぞどうぞー」
と家に上がった青葉くんは、机の上にある大量のポッキーが目に入ったらしく、私に向き直って聞いてきた。

「おい何だ。この大量のポッキーは?」
「……あぁ、何か鈴鹿くん達が『ポッキーの日だから!!』って持って来た後、すぐ用事がなんだで置いて帰っちゃったよー。」
と本当のことを伝えると、青葉くんは「ふーん。」とあまり興味を持たずに、1つのポッキーの箱を手に取って、中身を出した。
あぁ!!消費を手伝ってくれるのですか!!!超ありがたい!!!さっすが幼馴染み!!!と私が一人で感激していると、急に青葉くんが私の真正面に座った。

ん!?急に何か見つめられてるんですけど!?
……え!?そんな私、イケメンに見つめられて赤面しちゃうような、可愛い女の子じゃないんで!!はい!!
と一人でパニック状態になっていると、私の口元にポッキーが差し出された。……え?食べていいの?よっしゃあ!!と喜んでポッキーをくわえて、前を見ると、
…………………………………………………んん“???何でもう片方を青葉くんはくわえているのかな??さっきまで下向いてたから、気付かなかったよ??
それに青葉くん若干ニヤついてるし!!!!!このドSが!!!!
………………え“!?ちょっと待って、待って、待って、えっとポッキーの長さが約11センチで、私と青葉くんの距離がっておいおいおい!!食べ進めるなよ!!!残りあと5センチ………………え?5センチ??

気づいたら、目の前には幼馴染みの同級生の顔が迫っていて、いきなりこんなことされて、私が恋愛ベタなのを知ってて、絶対面白がってやがるぞこの野郎………!!
だっていくら昔の幼馴染みだからといって、もう健全な男子高校生と女子高生だし………。



………もういいや!!どうにでもなれ!!!と私は目を瞑った。
そして青葉くんの体温を感じる唇が触れあう直前で、ポキッという音がし、私と青葉くんの距離が離れた。
私が未だに放心状態でいると、

「………男の前でそんな不用心な顔すんなよ…。」
と呟いたかと思うと、小走りに帰ってしまった。
顔は見れなかったけど、帰るときの後ろ姿を見たら、青葉くんの耳が真っ赤になっているのが見えた。

少し時間が足って、だいぶ落ち着いてきた私は顔を洗ってすっきりしよう…と洗面所に向かった。
……………………………………え“?鏡にうつった私の頬は、真っ赤に染まっていた。
いやいやいや待って。待って。これは絶対ノーカンだから、ノーカン。別に、ドキドキしたなんて、そんなことある訳ないし!!!!!!


あとがき
どうでしたか?
番外編なので短かったですが、ラブコメ大好き!な私的には結構頑張ったつもりです……!一応ポッキーゲームを意識したつもりです!!
いやぁ、胸キュンするような文章って書くの難しいですね…今度から本編にも入れられるように練習しよう…。
次の番外編は、永尾くんと主人公でいきます!!
それではこれからも、本編のほうをよろしくお願い致します!!
           天草すず