「おうお前ら!!今日手伝ってくれてありがとうよ!!」
おっちゃんが元気よく笑いながら、私達一人一人に缶ジュースを手渡してくれた。

「おおおおーっ!!おっちゃん気前いいー!!さっすがぁ!!」
「ありがたくもらっとくぜ!!」
そんなことを言いながら、鈴鹿くんと吹雪くんはいきなりジュースを飲み始めた。ここまで遠慮が無いとむしろ尊敬するレベルだけど、世の中にはもっと非常識な人が沢山いるんだと思うと笑えてきた。

神奈川のスーパーマーケットで、店員さんの目の前でコロッケに虫を突っ込んでおいて、その店員さんに「このコロッケ虫入ってるわよ!!?全くこの店非常識だわねふじこふじこ。」と喚き散らしていた覚えがある。
子供ながら、非常識はお前だよ中年おばさんと思っていたような。

でも今この場合は、二人は特に非常識でもない。お礼を言って青葉くんと永尾くんも飲むくらい、喉が乾いている。
何故かといえば、私がこのイケメンボランティア集団に入ってから約2週間。
今日はみんなで、町中の資源回収を手伝ったのである。狭い町だから、役員の人のいる公園に運ぶか、家の前に出しておくか。私達はその出してあるものの回収に向かう仕事をした。
割と言って、かなり疲れた。この缶が1本75円ぐらいだとすると、私達の時給は25円ってとこかと普段なら思うところだけど、そんなことが聞けないくらいジュースがおいしかったし、それ以上の何かをもらえた気がする。

「どう!?楽しいでしょっ!!」
「俺は楽しくねーけどな、これは。」
元気に聞いてくる鈴鹿くんの言葉を、青葉くんが横からズバッと差したのがちょっと面白かったけど、私は、

「楽しい!!超楽しい!!!!」
と本心を言っておいた。

「基本的にはこういう活動がメインだけど、楽しいこともあるからね?」
吹雪くんがニッと笑った。
ということは、近くに何かあると。近くになんか連休あったっけ………あ。


「ゴールデンウィーク!!金色週間!!!向こうのグループの4人も一緒に遊びます!!!」
そういうことか!ゴールデンウィークがあった!そんな長い休みなんて、両親はラブラブで海外旅行行くから、存分に遊べる!!
と、私は少し楽しみになった。