「おいっしーい!!!!」
「さっすが療介のお母様っっ!!!」
「嬉しいわ~」
口々に賞賛するみんなの横で、私は無言で黙々と昼ごはんを食べていた。
……えっここ料亭か何か?凄くね??

「あら、お口に合わなかったかしら…?」
「えっあっ全然!!こんなにおいしいの食べたことなかったもので、びっくりしてしまいまして!!」
「あら、お世辞でも嬉しいわー♪」
しゅんとしたお母様にびっくりして、本音を言ってしまった。いや、でも本当にびっくりしたんだよね。これ数万ぐらいしそうなご飯なんですけど。美味しすぎ。

「びびってるww」
「まぁね、初めて療介のお母様のご飯食べたらびびるよねww」
けらけらと笑いながらみんなが言った。お母様が笑顔を浮かべ、ごゆっくりと言って出ていった。

「お母様ハイスペック。」
私が真顔で呟くと、みんなが爆笑した。美人で、美しくて、可愛くて、料理上手くて、つつましくて。

「私とは真逆だな!!」
私が言うと、鈴鹿くんがげらげら笑いながら言った。

「つつましさとか皆無だもんなww」
うるせぇ直々に言うんじゃねぇ。

「俺は樹琴の方が好みだけどな。」
「俺も。」
…………んんっ???

「おい、啓太に療介くーん、なに告白してんのよー!!!」
からかう吹雪くんに、二人は真顔で答えた。

「えっ俺はつつましいより、積極的な方が好き。」
「俺もわざと演じているような子より、樹琴みたいな性格の方が好きだな。そこの二人は??」
と永尾くんに聞かれ、鈴鹿くんと吹雪くんは顔を見合わせた。

「俺はお母様、友達にするなら絶対樹琴。」
「うん、親友になら樹琴。」
あっ親友になれるんだ!!やったあ!!ポジティブシンキングなう!!!

「えー俺達の好みおかしい?」
「そうなのかな…?」
二人は真面目に考え込み始めた。

「あっそれで、親友候補の樹琴ちゃんに相談があったんだってば!!」
ぱんっと手を叩き、真面目に考えている二人をよそに、吹雪くんが話し始めた。